新潟県上越市のグリーンサンタの森は上越市の伝統的(でんとうてき)文化が色濃(こ)く残る桑取谷(くわどりだに)の中ほどに位置しています。ながめは大変よく、南には高山(たかやま)、北には日本海を見下ろすことができます。森は自然林と杉(すぎ)植林の混交林(こんこうりん)ですので自然林、植林の両方を学習できます。冬は3m以上の積雪があります。
※ 混交林(こんこうりん) 種類の違った樹木が入り混ざって生えている森林のこと
※ 混交林(こんこうりん) 種類の違った樹木が入り混ざって生えている森林のこと
スギ
まっすぐ(真木=すき)に育つから「スギ」と言うそうですが、新潟は雪が多く、根曲がりスギがたくさん見られます。「新潟のスギと男は育たない」なんて言われますが、枝打ちや間伐などの手入れをすることで良材として利用されます。
ウリハダカエデ
モミジの仲間ですが、葉の切れ込みは浅く、水かきのあるカエルの手のひら状の葉になります。若木の樹皮がマクワウリのように暗緑色に黒い縦縞があることから「瓜肌楓」となりました。黄色の紅葉が美しいです。
コナラ
どんぐりをつけるナラの木の仲間です。今年はどんぐりの生り年のようで、ナラの木の下はたくさんのどんぐりが落ちています。どんぐり好きのクマも、今年はおなかいっぱいで冬眠できそうですね。材は昔は炭の材料としても利用されていました。
ウワミズザクラ
ソメイヨシノなどの桜とは違い、たくさんの白い花が房状になって咲き、まるでコップ洗いのブラシのように見えます。新潟では花のつぼみを塩漬けにしたものを杏仁香(あんにんご)と呼んで食用にします。本当に杏仁豆腐のような甘い香りがするんですよ。
ヤマモミジ・イロハモミジ
手のひら形の葉のモミジです。春の花は小さくて見逃してしまいますが、秋の紅葉は黄色や赤色など様々な変化を見せてくれます。果実には翼(プロペラ)がついていて、時折風に吹かれてくるくると落ちてくる姿はとてもかわいいです。
オオバクロモジ
本州の太平洋側にあるクロモジに対し、日本海側にはより葉が大きいオオバクロモジが生えています。樹皮の黒い斑点が文字に見えるので「クロモジ」と言うそうです。木の皮をこすると独特の良い香りがするので、楊枝の材料として利用されています。
ヒメアオキ
日本海側の多雪地に特有の植物で、太平洋側にあるアオキより葉が小さいことからヒメアオキと呼ばれています。オスとメスの木が別々で、春に咲く花はどちらも地味なのですが、雌株につく真っ赤な果実は冬に熟し、雪に埋もれながらもよく目立ちます。
コシアブラ
日本海側の山地に多い樹木です。若葉は香りがあって柔らかく、天ぷらはタラノメより美味!山菜として珍重されます。樹脂を漉(こ)して塗料を作り、さび止めとして利用したことから「コシアブラ」と言うそうです。
ユキツバキ
日本海側の多雪地に適応した植物で、春に咲く花は、赤い花びらと黄色の花糸が鮮やかです。多雪地に生えるため幹はあまり立ち上がらず、地を這うようにのびていきます。全国的に分布するヤブツバキとの中間型はユキバタツバキと呼ばれます。
モミジイチゴ
名の通りモミジのような葉っぱをつけるキイチゴの仲間です。春にサクラに似た白い花を下向きにつけて、初夏にはオレンジ色のみずみずしいキイチゴをたくさん付けます。甘酸っぱくてとてもおいしいです。
シロダモ
暖地の植物ですが耐寒性が強く、新潟でも海岸沿いの山地に見られます。春の若葉は金色の絹毛におおわれていて、遠目にもよく目立ちます。葉は3本の脈が目立ち、葉の裏が白いので「シロダモ」と言うそうです。
トキワイカリソウ
日本海側の多雪地の林内に生えます。葉が常緑なのでトキワ、花の形が船の碇に似ているのでイカリソウの名があります。花は白や紅紫色で、カタクリなどとともに春植物として雪解けの林内を彩ります。
アブラチャン
種子や樹皮が油を多く含むので、アブラチャンというかわいい名前が付きました。材は強靱なので昔はかんじきを作ったそうです。オオバクロモジの仲間で、枝をこすったり葉を揉んだりするととてもよい香りがします。
チゴユリ
春に咲く白い小さな花を、稚児行列の稚児にたとえ、「チゴユリ」の名がつきました。山野の林内に生え、花の後は黒い実が付きます。
スギヒラタケ
近年は毒キノコとして有名になってしまったスギヒラタケですが、名の通りスギの古木にびっしり生え、地元では「ミミタケ」と呼ばれ、昔から食用として親しまれてきました。もっとも身近なキノコの一つです。
ネマガリスギ
※「ネマガリスギ」は木の種類ではありません。豪雪地域に見られる、根の部分が曲がってしまったスギです。冬の間、厚い雪に覆われ、その重みで根の部分がまがってしまいます。
ノウサギ
冬は白毛、夏は茶毛に生え替わるので、林内ではあまり目立ちませんが、冬には枝をかじった後や、特有の足跡が多く見られます。春の山では、小さな子ウサギが地面の穴から飛び出してきたのに遭遇したこともあります。
ノウサギアナグマ・タヌキ・ハクビシン
桑取谷には昔からアナグマやタヌキが見られましたが、最近はハクビシンも目撃されるようになりました。アナグマはちょっとぼーっとしているのか、ばったり出会ってもえさ探しに一生懸命でこちらに気づかないことも。林内よりも夜の道端で遭遇することが多いです。
ヘビ類(シマヘビ、マムシ、ヤマカガシなど)
マムシはずんぐりしていて銭形模様、ヤマカガシはオレンジ色っぽいおなかが目印の毒ヘビです。藪や林内へはむやみに立ち入らず、入る場合は行く先を払いながら進むことが大切です。ヘビを見つけたら逃げること。一見おとなしそうなヘビでも1m以上もジャンプするのだそうです。
カモシカの足跡
冬の雪上ではカモシカの足跡も良く見られます。森や湿地、河川にはいろいろな動物が生息しており、冬の雪上ではたくさんの動物の足跡を見ることができます。足跡の歩幅で、動物がどのような歩き方をしていたかを想像することができますね。